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ダーティ・ハリー3


元気の出る映画特集 ダ−ティ・ハリ−シリーズはどれも素晴らしい娯楽作品なんですが、 個人的にこれがある意味では私は一番好きです。ム−ア刑事という女性新米刑事と はじめてコンビを組むんですが、彼女の演技がとても良い感じなので。
女性刑事の登用ということで、女性警官の中の刑事希望者の面接官に されたハリー。机上だけのありきたりな質問で進行する面接に業を煮やした ハリーは、ハリ−独特の理論で面接に参加します。 そんなハリ−の現場の実践に基づいたかなり過激な質問に対して、 怯むことなく答えたのがムーア警官。数日後、彼女はハリーの相棒となります。
しかし、ハリ−はもちろん認めません。 それもそのはず。彼女は刑事としての経験は皆無。拳銃を現場で発砲したこともなければ 死体の解剖にも初参加で嘔吐する始末。
今回のシリーズの犯人が使用した小型バズーガと同じものの視察に行けば、 バズーガの仕組みを知らない彼女は危うく大怪我しそうになったり・・・・ (このバズーガの視察のシーンでハリ−は彼女が怪我しないように助けるのですが 彼らしい無骨や優しさが出てて渋いんですけどね。)
そんなギクシャクした関係が少しずつ・・・・少しずつお互いを理解しはじめつつ、 クライマックスへ。テロリストが市長を誘拐し、廃虚となっている アルカトラズ刑務所に立て篭ります。
テロリストのリーダーがマックスウェルって奴なんですが、 クライマックスのそいつの死に様は爽快です。
ハリーを救うためこいつの銃弾を浴びてしまった彼女が 「ハリー・・・しくじったわ・・・でも私のことはご心配なく・・・ 奴を倒して・・」ってハリーにつぶやき、 それを聞いたハリーが奴が落とした小型バズーガを手にとり・・・。 人質に取った市長とともに監視塔に登っているマックスウェルに 引き金の標準を合わせて「マックスウェル・・」ってつぶやいてから引き金 を引くんだけど、その言い方が渋いんだ。これが。
最後に助かった市長が 「君は命の恩人だ・・・君には市から賞を出すぞ」と遅れて今頃ノコノコとやってきた 警察ヘリにいっしょに乗って帰ろうと話し掛けるのですが、 当然ハリーはそんな戯言に関知せず。自分を救うために絶命したムーアの元に戻り、 物憂気で、怒りのやり場がないであろうハリーと絶命したムーアのショットが 徐々に遠いシーンに変わるのですが、この時のハリーの顔を見てみたい気がします。絶命したムーアを前に 何とも言えない表情をしているんだと想像出来ますので。
全く作品は異なりますが、高倉健さん、倍賞智恵子さんの幸福の黄色いハンカチ [DVD] もクライマックスの夫婦の再会シーンは遠いショットなんですよね。何を会話してるのか想像はつくのですが、 画面的には分からない。あの作品はあえて山田洋次監督がああいう形にしたのが分かる気もするのですが、 諸外国では理解できないなんて話を聞いたことがある。確かに一番のクライマックスシーンだし、普通なら 一番気合い入れて台詞も練りに練って、一番の演技を要求するシーンなのかも知れませんしね。 でも、あえてああいう遠いショットにしたところが、日本風でとても良かったように思います。
それとダーティ・ハリー3のこのシーンに共通点というわけでもありませんが、 あえて遠いショットにして鑑賞者にやりとりや表情を想像させてるという手法は 逆に印象的で素敵なシーンになることがありますね。
そんなハリーとムーアの活躍を知らない警察ヘリが 上空で「君たちの要求は全て飲んだ、市長の安全を保証するなら・・・・」 みたいな犯人の要求に対する返答を虚しく今頃繰り返しているってシーンでエンドロール。
とにかくハリ−の美学が滲み出てて「これぞダーティ・ハリー!」
ってハリー独特の余韻に浸れる作品です。


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